東洋のストラディヴァリウス | 宮本金八

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”東洋のストラディヴァリウス”と呼ばれた製作家

国内でのヴァイオリン製作が始まったのは
明治13年のこと
松永定次郎によって作り出されたそうです〔諸説あり〕

鈴木ヴァイオリンでお馴染みの創立者
鈴木政吉や多くの製作家が
情報の少ない明治・大正の世で
西洋の華やかな楽器に思いを馳せ
見よう見まねで製作を始めました

今回入荷したヴィオラの製作者
宮本金八も
明治期より弦楽器製作をはじめた
偉人です

1878年
東京に生まれ
僅か10歳で
日本楽器〔YAMAHA〕に入社し
オルガンの修理をして
感性を養いました

32歳にして
ヴァイオリン製作や修理を始め
41歳で独立
修理・製作技術のあまりの高さに
”東洋のストラディヴァリウス”と
国内外から高い評価を得ました

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ヴァイオリニストである
クライスラーやハイフェッツをはじめ
海外の大巨匠たち
ヴァイオリン愛好家として知られる
科学者アインシュタインも
絶賛したといいます

また
弟子の育成も積極的に取り組み
クラシックギターの
三大名工として知られる
中出阪蔵などを世に出しました

1970年
92歳で亡くなるまで製作を続けていたため
作品数は少なくありませんが
日本製作史に残る
伝説的な巨匠であることと
独自の美しい音色から
今も尚
熱烈なファンがおり
市場にコンディションが良いものが
なかなか出回りません

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今回の作品は
1970年に製作されたもの

亡くなった歳であるため
長い製作歴の中で
最高の経験値を得た
彼の集大成といえる
作品ではないでしょうか

※鑑定は真贋等含め私独自の調査と経験によるものであり
専門店などのような保証はしかねます